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石勝線火災事故

震災のニュースが多くてあまり大々的には報道されていませんが、これ、北陸トンネルのそれに匹敵してもおかしくない事故だったと思います。

スーパーおおぞらが石勝線内のトンネルで立ち往生、火災を起こして車両が全焼した事故。

まだ情報が錯綜している段階なので、何がどうであったかはっきり言うことはできません。
ただ、今現在でわかっている情報をたよりにちょっと意見させてください。


1.停車した理由は「脱線」だったのか
運悪く、停車したのはトンネルの中。
仮に、乗務員が車両火災を起こしていると気づいていたならば、その対応はまったく北陸トンネルの教訓が生きていない、ということになります。
あるいは、脱線による走行抵抗で停車を余儀なくされたのかも知れません。

一方で、乗務員が避難誘導を始めた時点で、「煙は出ているものの火災は起きていないと思っていた」という報道もありました。
しかしながら、普通は「煙が出ている」=「どこかで燃焼現象が起きている」と考えるのが常識であり、この考えが妥当だったかも問われる問題です。


2.指令中心主義になったがために…
かつて列車で何かトラブルがあれば、通過する駅にメモを落としたりして知らせることはあっても、ある程度の初動対応を乗務員が行うということが常識でした。

それが今では、無線の発達により常に中央の運輸指令と繋がっている状態に。
すると、安全管理の根本がまったく逆に。何か起こったらとにかく指令の指示を仰ぐことが基本になりました。
この方法をとることで、確かに、トラブル発生時に第三者視線から落ち着いた的確な措置をとることができるようになるメリットがあったかもしれません。
しかし実際には、言葉を介してしか情報の共有ができず、現場がどれほど緊迫している状態なのかはなかなか伝わりにくいというのも本音、また指令の指示を待つあまり、急を要する事態で初動対応が遅れることもしばしばです。

私自身も、これまで列車に乗っていて、幾度となくトラブルに遭遇したことはあるわけですが、
その一部始終を聞いていると、何もかも指令の指示に従うだけで、乗務員たちはそれさえなければ何もしない(できない)様子であった、という印象を拭うことはできません。
逆に、指令との連絡に執着しすぎて、乗客への放送などによる連絡が遅くなるということは、今回に限らず常に鉄道の抱える大きな問題です。

今回の事故から言えることは、「現場の判断が優先されるべき事態」もあるということ。
緊急時の指令と現場の意志決定について、今こそ見直しが迫られるときではないでしょうか。


3.車両そのものの構造は?
徐々にスポットが当てられつつあるのは、動力系の金属疲労。
鉄道に限らず、この金属疲労が原因で発生する事故は後を絶ちません。
研究者などを交えた大きな流れをつくって、それを進めていくこともまた重要なことだろうと思います。


日本の鉄道の安全性にはたいへん定評があります。
それを失墜させないためにも、今回の事故を教訓に、乗務員対応、整備体制等々、鉄道の安全の仕組みをさらに拡充させていく努力が求められます。



※北陸トンネル事故…1972年、敦賀市にある北陸本線・北陸トンネル内で火災を起こした急行列車がトンネル内で停車、多数の死傷者が出た。これを機に、車両の難燃化、トンネルの照明や消火設備等の設置がすすめられ、またトンネル内で火災が発生した場合はトンネルを出てから停車する基本が定められるきっかけになったことで知られる。
プロフィール

てつた

Author:てつた
KR鉄道館

元駅員さん。
社会人4年目の、法学部卒
へっぽこ新米プログラマー。
たまには旅に出たい。

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